顎関節症
顎関節症
顎関節症とは、顔面や首や肩の筋肉の痛み、顎の痛み、雑音、運動障害(口が開けにくい)などの症状のことをいいます。
症状の初発は肩から上部の筋の萎縮による血流の低下が原因で筋肉のコリが起こり、顎関節の動きが悪くなります。すると耳の前(顎関節)でカクカク音がし始め、次第に痛み、口が開けにくいなどの症状が出てきます。
カクカク音がする症状のみの時は、症状の悪化を防ぐ方法、日常生活での注意点などを理解することが重要です。
また、痛み、口の開けづらさがあるときは、治療が必要になります。
顎関節症の原因にはまだ不明な点が多いですが、歯の欠損、かみしめなどの悪習癖など歯科医院で治療すれば改善する要素は多くあります。
1、あごに痛みや違和感がある
あごを動かすと痛い(耳の付け根やこめかみあたりが痛くなる。)
動かさなくてもあごが痛い(何もしなくても常にあごが痛い。または違和感がある。)
2、口が開きにくくなった
あごが痛くて口を開けられない(口を開こうとすると、あごが痛くなり大きく開けられない)
痛くはないが口が開かない(口を開こうとすると引っかかる感じがあって大きく開かない)
3、あご以外にも痛みがある
顔や頭や首が痛いけれどお医者さんでは異常なし
(何もしていなくても、顔、頭、首、目の奥、耳などに痛みがあったり引っ張られる気がする。)
歯や喉が痛いけれど原因不明(口の中や歯、喉などに痛みがあったり、違和感があったりする。)
4、あごからカクカク音がする
従来は噛み合わせの悪さが原因だと考えられてきましたが、現在は筋肉の運動不足が原因が8割を占めることがわかってきました。残る2割は顎関節そのものが弱いなどといった構造上の問題と考えられています。
顎に負担をかけるような悪習癖を是正するための指導を行います。特に、歯を食いしばったり、歯と歯を常に噛み合わせるような習癖があると、歯、顎関節、筋肉に負担がかかり、血流も悪くなるので、こういった習慣を正す方法(認知行動療法)などを提示します。また、食事やその他習慣に関する注意事項を説明します。
顎関節の整位
関節円板(顎関節がスムーズに動くために上下の関節の骨の間にある、軟骨のような組織)が引っかかって口が開きづらくなっている場合は、適切な力を加えることで引っかかりを解除できる場合があります。また、大きく開けた後に口が閉じなくなった(いわゆる「アゴが外れた」)場合は、適切な力を加えて元に戻します。
ストレッチを行うことで、靭帯を伸ばして関節を動きやすくし、関節と筋肉の血流を改善し、関節腔内の潤滑成分の分泌を促します。
院内で行うストレッチでは回数、頻度に限界があるので、自宅で行えるストレッチ方法を指導します。
代表的な方法は後日詳しく解説したページで紹介します。
顎関節に関わる筋肉の痛みやこわばりがある場合は、マッサージの仕方を紹介します。
代表的な方法は後日詳しく解説したページで紹介します。
夜間の歯ぎしりや食いしばりにより顎関節症を悪化させているケースでは、歯ぎしり防止のマウスピースを作成します。原則、就寝時のみ装着します。
マウスピースには次のような効果があります。
効果には個人差が大きく、劇的に改善する方もいれば全然変わらない方もいます。費用は、保険の3割負担で5,000円程度です。
痛みが強い場合や、関節組織の損傷により炎症が起こっている場合は、鎮痛消炎薬の処方を行います。周辺の筋肉のこわばりによって強い痛みが出ている場合は、筋弛緩薬を処方することもあります。